本当の豊かさ

2018/03/21

昨日ご来店いただいたお客様から「マッサージのときに、なんか介護されているみたいと感じた」との感想をいただきました。

感覚の鋭い方のようです。私の施術の土台となっているのは、母親を介護した体験なのです。

自宅での介護の現実は、すさまじく大変です。重い身体を持ちあげて風呂に入れてあげたり、肛門に指を突っ込み、うんちを掻き出してあげたり、寝ずに看病しなければならなかったり、突然夜中に起こされたりで、こちらが死んでしまうかと思うようなことは多くあります。しかし、その中でしか学べないやさしさや、人間の本質というものがあるのです。大変な中で人生の本当の意味を見出すのです。介護に限らず、貴重な体験が出来る場は、日常の中に沢山転がっています。そして、それらは、大概皆が忌み嫌うものです。しかし、その中に飛びこんでみることで、本当の豊かさに出会うのではないかと思います。

 

先ほどフェイスブックを見ていて、たまたま「私は人間には関心がありません」という人のブログに出会いました。私も同じ感覚を持っています。

私も正直なところ、あまり人間に関心がありません。ですから、あの人はどう思っているだろうかという詮索もしませんし、良く見せたいという思いもありません。ただ商売をしているので、人に不快な思いはさせないようにはしています。人間に関心を持たなくてもいいというわけではありませんが、多くの人を見ていると、人間にしか関心がないように見受けられます。田舎に暮らしているからかもしれませんが、私たちを取り巻く環境は、人間だけではないのです。木や土や川や山や空気など、私たちを取り巻く大自然があって、様々な生き物がいて、それらがそれぞれ関係を持ちながら生きているのです。自分たちを生かしている自然や生き物が全く意識に上がらない状態で、本当の豊かさを感じることができるのだろうか、と私は疑問に思ってしまいます。自然の中で生かされれている実感があれば、あの人がどう言ったとか、この人にどう見られたかということは、小さなことに過ぎないという感覚になるはずです。しかし多くの人の意識の中には、人間しかなく、それに関わるビジネスや損得感情にしか関心がいかなくなっているようです。

私は人間にあまり関心がないので、来店されるお客様が、すっぴんであろうが、普段着であろうが、全然気になりません。容姿がどうであろうとも、私の施術で喜んでもらえたら、それで満足です。ここは世間を離れた別次元の空間です。げっぷをされようが、おならをされようが、おしっこを漏らされようが(おしっこを漏らされた方は今までいませんが)、それらは全部自然のものでしょう。人間が出すもので、汚いものはありません。身体の欲求に従って、出したいものは出せばいいのです。気持ちよければ気持ちよさを表現すればいいのです。「声を出すのは、はしたないと思い我慢していました」というお客様がいましたが、我慢しなくていいです。気持ちよければ気持ちいいと表現をすることが本当の豊かさではないでしょうか。ここは癒しのサービスを提供する場です。堂々と癒されてください。そして思いっきり癒されて帰って下さい。ご自宅で気持ちよさの余韻に浸っていただければ本望です。

何か物を得ることで満足する時代は終わりにしましょう。本当に身体が求めている自然の素材のものを食べ、本当に身体が求めていることをやり、心が通じ信頼しあえる人と触れあい、語りあい、自然の中で癒されるというのが私の考える本当の豊かさです。それほど難しいことではありません。

 

 

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