アロマセラピーの基礎知識

アロマセラピーとは

アロマセラピーとは、「香り」を使った療法のことで、つまり芳香療法のことです。漢方の西洋版との捉え方もありますが、ヨーロッパ発症の自然療法のひとつであるアロマセラピーは、様々な植物をそのまま、あるいは乾燥させて使うのではなく、植物から抽出したオイル(精油)を使用します。

精油は、それぞれの植物の中に少量しか含まれず、植物のエネルギーと言われています。非常に揮発性が高く可燃性で、アルコールには可溶性、水には不溶性を示します。全ての精油には殺菌消毒作用があり、多くの作用を有することから、それぞれの目的に応じて身体に適用することで、心と身体のバランスを整え、健康を保持する大きな手助けとなります。また、化学薬品による副作用やアレルギーなどが叫ばれる現代において、アロマセラピーのような自然療法的な代替医療の需要や人気が高まっています。

 

香りの世界

どこからともなく漂う心地のよい花の香り、香木を燻らせたときのかぐわしい香り、さわやかな森の香りなど、私たちの周りには実に様々な香りが溢れています。

「香り」というものは、私たちは嗅覚によって判別していますが、この嗅覚が発達したのは危険関知のためだとも言われています。香り=ニオイを嗅ぐことで、危険なものなのかどうかを判断することができるのです。また、食べ物の匂いがなかったらどんなに美味しい物でも、美味しさが半減してしまいます。

香りはこれからの学問として注目を集めています。まさに21世紀は香りの時代と言われるほどに、メカニズムや効果などが話題になっています。あるニュースでは、パソコンから香りを流すことができるシステムが完成したようです。

1937年に現代の「芳香療法」(アロマセラピー)が始まり、そして様々な臨床実験により「香り」は体に多様な効果を与えるということが分かってきています。香りを学ぶことで、より快適な生活をおくることができます。

 

アロマの活用法

【一般的な精油使用方法】

拡散

精油を身辺に散布する方法。脱臭、殺菌、消毒、空気清浄、リラックス、リフレッシュ、集中力を高める安眠を促すなどの効果があります。

使用方法:アロマポット、マグカップ、ボウル等にお湯をはり、精油を適量入れる。ろうそく、電気等で温め拡散させる。精油を精製水などで希釈し、スプレー容器に入れ拡散させる。

精油量:アロマポットで1回に3~6滴程度。部屋の広さ、個人の感受性、精油の芳香強度により調整する。

注意点:嗅覚には個人差があるので、常に快適だと感じる濃度を保つこと。嗜好を充分に考慮する。

吸入

揮発した精油の成分を鼻や口から吸い込む方法。呼吸器系、特に気道のトラブルの改善、風邪などの際にも有効。または吐き気や胃痛などの消化器系の不調の改善にも効果的。

使用方法:熱い湯を注いだボウルに精油を入れ、タオル等で周囲を覆い、蒸気ととみに揮発した精油を吸入する。(蒸気がたたなくなる5分程度が目安)ハンカチやティッシュに直接精油を落として吸入する。

精油量:ボウルからの蒸気吸入3~5滴程度、直接吸入1~2滴程度。

注意点:蒸気吸入の際は、ボウルの水面から20~30センチ程度離れて、軽い呼吸から徐々にゆっくり吸い込むようにする。精油が目に入らないように目を閉じておこなう。

沐浴

精油を湯船に入れて入浴する方法。様々な身体的不調の改善、リラクゼーションに役立つ。

使用方法:精油をそのまま湯船に入れるか、スプーン1杯(約5ml)のキャリアオイルで薄めてから入れ、よくかき混ぜて20分以上入浴する。

精油量:10滴以下。個人の感受性、精油の芳香強度により調整する。はじめて沐浴する場合には、1~2滴からはじめるのが無難。

注意点:入浴する直前に入れ、よくかき混ぜる。お湯の温度は39度前後のぬるめが効果的。

*希釈しないで沐浴に使用すると、皮膚に刺激になる可能性のある精油

オレンジ、グレープフルーツ、シナモン、タイム、パイン、バジル、バーベナ、ヒソップ、フェンネル、ペパーミント、ベルガモット、マンダリン、メリッサ、レモン、レモングラスなど

マッサージ

精油をキャリアオイルで希釈して、肌に塗布しマッサージする方法。リラックス、リフレッシュに役立つとともに、心身の様々な不調を改善する最も有効な方法。

使用方法:数種類の精油をキャリアオイルで適切な濃度に希釈し、部分または全身のマッサージをおこなう。

精油量:ボディ2%以下、フェイシャル1%以下。個人の体質、肌質、感受性により調整する。

注意点:皮膚炎、皮膚に異常がある場合はおこなわない。または、その部分を避ける。必要に応じて、おこなう前にパッチテストをする。マッサージを開始して、皮膚に何らかの異常が生じた場合には、速やかにマッサージを中止し、石鹸などでオイルを洗い流すこと。または、キャリアオイルをもう一度塗布し、ホットタオルなどで精油を取る。

 

アロマセラピー香りの歴史

・香りが利用されていた歴史は、古くは紀元前3000年頃までさかのぼります。宗教的な儀式で香木や花がたかれていたようです。また、エジプト人が遺体をミイラ化する際に、香料を使用しました。その後、防腐や消毒・殺菌効果の知識が高まり、紀元前1000年頃には皮膚や物に対しての目的で使用されるようになりました。

・有名なクレオパトラは多くの香油や香膏を使用していたともいわれています。

・ミイラ作りに使われた香料(防腐効果があるもの)

乳香ーフランキンセンス 没薬ーミルラ

・インドでは、多くの香木や香草が生育していたので、紀元前800年頃から宗教、医療に香料が広く利用されていた。身体と精神の健康のために芳香植物を利用し、香油をマッサージに適用するアーユルヴェーダの基礎となりました。

・ギリシャ、ローマでは、紀元前500年頃から炎症の治療に香油や香膏を使用したり、芳香物質によって伝染病、感染症を防ぎました。

・古代ローマ帝国時代には、香木や香膏を身体に塗布したり、マッサージに適用したようです。

・日本では、538年の仏教の伝来とともに、香木や香草が中国から伝えられ、香りを楽しむ習慣が平安貴族に定着し、室町時代には香道が誕生した。

・900年頃、アラブ人医師イブンシーナ(アヴィケンナ)が香油、香膏を用いたマッサージについて記述した「カノン・メディキナエ」を著す。また、バラの蒸留法を発明した。

・ヨーロッパでは、1300年頃からラベンダー水・ハンガリー水が美容目的で使用された。1664年から1665年にはペストが流行した際に、香料を床にまくことで殺菌・消毒作用があることが認知されるようになった。

・1800年頃からは、科学の発展とともに化学薬剤が出現し、精油の利用は徐々に低迷していったが、1900年代に薬剤の副作用などの問題から自然療法が見直されるようになり、1930年~1940年頃、アロマセラピーがひとつの療法として認識され始める。

・1930年頃、フランス人化学者ルネ・モーリス・ガットフォセが火傷の治療にラベンダー精油を使用し、精油の殺菌防腐効果、治療効果について研究を重ね、アロマセラピーという言葉を作った。

・1960年以降、第二次世界大戦中、フランス人医師ジャン・バルネが負傷した兵士の治療に精油を使用し、アロマセラピーの基盤を作った。

・1977年、イギリス人ロバート・ティスランドが「アロマセラピーの理論と実践」を著し、現代のアロマセラピーに至る。

 

精油とは

多種多様な植物から様々な方法で抽出される100%純粋な芳香物質であり、植物の中にごくわずかしか含まれていない。また、植物のエネルギーともいわれている。植物に取って精油が採取される部位は、花・葉・果皮・樹皮・根・種子・樹脂など異なります。

芳香植物は3500種類ほどあるといわれるが、その中で精油を抽出できるのは、200種類前後。1トンのラベンダーからは、3リットルの精油が抽出できますが、バラは50本から1滴しか精油を抽出できないため、非常に高価です。各植物から抽出できる量や抽出方法などにより、価格には大きな開きがあります。

植物にとっての精油

1.鳥や昆虫を引き寄せて、繁殖に役立てる(誘引効果)

2.害虫、害獣を寄せ付けないようにする(忌避効果)

3.有害なカビなどから身を守る(殺菌効果)

4.生存競争の相手を妨害する

5.ホルモンのような働き

6.暑さから身を守る

人間の人体における精油の主な働き

1.生理作用:睡眠、呼吸、体温調節、消化、ホルモン分泌、免疫など生命維持のしくみを整える

2.心理作用:記憶された香りを呼び戻し、リラックス状態を作る

3.抗菌作用:すべての精油に抗菌性がある

4.薬理作用:精油には100を超す有機化合物が含まれている

精油の主な作用

精油には、下記のような作用があります。

【肌へ】

1.収斂作用:皮膚を引き締める

2.エモリエント作用:皮膚を柔らかくする

3.保湿作用:皮膚に潤いを与え、乾燥を防ぐ

4.皮膚細胞成長促進作用:皮膚のターンオーバーを整える

【心身へ】

1.鎮静作用:心と身体をリラックスさせ鎮める

2.鎮痛作用:痛みを和らげる

3.鎮痙作用:筋肉の緊張をゆるめる

4.消化・食欲増進作用:消化・食欲を増進させる

5.駆風作用:腸の働きを整え、腸内ガスを出す

6.ホルモン調節作用:ホルモン分泌を整える

7.刺激作用:心身の活動を刺激して高める

8.強壮作用:身体の各部の働きを活性化し強化

9.免疫賦活:免疫の働きを高めて活性化

10.利尿作用:尿の排泄を促進

11.毒素排出作用:体内に滞った余分な水分、毒素を出す

12.去痰作用:たんを溶かしてきりやすくする

【細菌やウィルス、虫などに】

1.殺菌作用:バクテリアなどの菌を殺す

2.抗菌作用:細菌の繁殖を抑える

3.抗真菌作用:カビの繁殖を抑える

4.抗ウィルス作用:ウィルスの繁殖を抑える

5.殺虫・虫よけ作用:虫を殺したり、よけたりする

 

精油の抽出方法

水蒸気蒸留法

精油の原料となる芳香物質を蒸留装置にセットし、蒸気だけを送りこむ。植物の細胞内に含まれている油細胞は壊れ、分離した精油は水蒸気と共に蒸留される。さらに冷却装置で液体に戻したの地、精油と蒸留水に分離する。

冷浸法(アンフルラージュ)

デリケートな花の精油を抽出する伝統的な方法。脂肪を敷き詰めたガラス板に花をのせ一定時間放置、花の芳香成分を脂肪に吸収させる。花を何度でも変えて飽和状態になるまで繰り返す。花の芳香を吸収した死亡にアルコールを加えて死亡と芳香成分を分離させる。この方法で得られたものを「アブソリュート」という。しかし、最近では「溶剤抽出法」という方法がよく使われており、この方法で得られたものもアブソリュートという。

(例)ローズアブソリュート ジャスミンアブソリュート

圧搾法

柑橘系の果皮に含まれる精油を抽出する方法。原料となる果皮を機械的な方法で圧搾(つぶして搾り出す)し、得られた液体を静かにおいておき精油を分離させる方法。この方法は、蒸気や溶剤によって起こる化学的変化が全くないため「エッセンス」という名称で区別される。

超臨界流体抽出法

二酸化炭素のように、常温で圧力をかけると液体化する溶剤を使う。超高圧をかけて、液体と気体の間の超臨界状態にする。このとき、香りが強く吸着され、それを気体化すると精油だけが残る。成分のほとんどが抽出でき、トップノートは素晴らしい香りがするが、一般的にはこの方法は使われません。

 

精油のノート

フランス人ピエッセによる香りの分類で、芳香植物の揮発速度を表す。精油をブレンドする場合は、3種類のノートから最低1つずつ選択すると、時間がたつごとに香りが変化していきます。

トップノート

最も揮発する速度が速いもの。(約20分以内に揮発するもの)

精神と肉体に対して刺激作用と高揚作用を示す。特に柑橘系に多い。

ミドルノート

揮発する速度が中程度のもの。(約20分~60分で揮発するもの)

身体の生理機能を円滑にする作用を示す。心身のバランスを整え安定させる。

ベースノート

揮発する速度が遅いもの。(約1時間~4時間で揮発するもの)

精神と身体に対して、鎮静作用と緊張を緩和する作用を示す。特にウッド系に多い。

 

実際に精油をブレンドする際には、それぞれの精油のノートをチェックして、バランスを考えて選択すると、より効果的なブレンドができます。基本的にトップ:ミドル:ベースを2:4:1程度の輪依頼でブレンドすると香りのバランスが良くなるといわれています。

 

精油の取り扱い

保管方法:直射日光を避け、温度は低くできるだけ一定に保つことの出来るところに保管。

容器:ガラスの遮光瓶。蓋をしっかりと閉める。開封後は開封日を記入しておく。開封後の消費期限は、通常半年~1年の間。

 

キャリアオイルとは

エッセンシャルオイルが植物の花やつぼみ・葉・茎・樹液・根から抽出されるのに対して、キャリアオイルは実や種から抽出されます。キャリアオイルを使用する理由は、精油がとても濃縮された植物オイルであるために、希釈する必要があるためです。つまり、精油を希釈して使用する時、同じ油性であるキャリアオイルは希釈するのに適した性質を持っているのです。

キャリアオイルは、良質の植物オイルです。この植物オイルに精油を希釈して皮膚に塗布することは、私たちの皮膚の状態を良好に保つばかりでなく、精油の成分を速やかに九州されるのに、とても有効なのです。

キャリアオイルの役割

1.精油とよく混ぜて、精油を適切な濃度に希釈する。

2.精油を速やかに体内に運搬する。

3.マッサージを行う際の潤滑剤の役割を担う。

4。肌を柔軟にし、水分の蒸発を防ぎ、栄養を与える。

キャリアオイルの取り扱い

保管方法:直射日光を避け、冷暗所に保管。

容器:ガラスの遮光瓶。蓋をしっかりと閉める。開封後は開封日を記入しておく。開封後の消費期限は通常半年~1年の間。

*使用上の注意

1.個人の肌質や体質に適した植物を選ぶ。

2.使用する目的に合った植物油を選ぶ。

3.できるだけ新鮮なものを使用し、酸化したものは如何なる場合にも使用しない。

4.必要に応じてパッチテストをおこなってから使用する。

代表的なキャリアオイル

アプリコット油

科名:バラ科

感触:サラっとして皮膚に馴染みやすい

匂い:特異臭 いくぶん強い

適合する肌質:敏感肌 荒れた肌 全ての肌質にOK

品質保持期間:2か月

特徴:皮膚の保護、柔軟作用・栄養を与える。皮膚に容易に吸収される。フェイシャルに使用。湿疹による痒みの緩和。化粧品、石鹸などに使用。

アボガド油

科名:クスノキ科

感触:ややオイリー 重たい

匂い:わずかに特異臭

適合する肌質:乾燥肌 老化肌

品質保持期間:3か月

特徴:ビタミン、ミネラルに富む。低温で凝固する。果実の果肉から製造。ベーシックなキャリアオイルに約20%加えて使用。優れた皮膚柔軟性。しわ予防、抗炎症、胃の不調に有効

ウィートジャーム油

科名:イネ科

感触:粘度が高い

匂い:わずかに匂いがある

適合する肌質:乾燥肌 老化肌 荒れた肌

品質保持期間:3か月

特徴:ビタミンEが多く、栄養価が高い。

グレープシード油
ピーチカーネル油
ホホバ油
アカデミアナッツ油
ローズヒップ油

 

(編集途中です。まだ続きます。)

 

2017/02/25