リセット 作為から無作為へ
今回は大変重要なお話しをさせていただきたいと思います。
サロンの経営方針からメニューの内容まで根本的なところから見直していくことになると思います。
私の心の奥底に、お客様に喜んでいただきたい、癒してさしあげたい、病気を治してあげたい、問題を解決させてあげるように導いてあげたいという思いが強く支配していました。そのために、施術の内容を研究し、工夫し、新しい技を取り入れていったり、こっそり病気を治してあげたり、お客様が喜ぶために刺激的な施術を編み出したりしてきました。その結果、多くの方から、本当に気持ちがいい、身体が楽になった等の反応が返ってきて、それに刺激されて、更に追求していくというループにはまってしまいました。いつの間にか、自分がやってあげているという感覚になり、自分は能力がある、自分は魅力的だという思いがふつふつと湧き上がってきて、人のためになっているのだと自己満足に浸っていました。しかし、その路線を徹底して追求していった先に、ふと気がつきました。作為的な行為は、不自然だということを。どこかでは分かっていたはずなのですが、何か新しいものを創りだしているという自己満足が、心の目を曇らせていました。本当は、何もしないで自然に任せた方がいいと分かっていながら、より魅力的に、より刺激的にやっていかないと、お客様が満足しないのではないかという不安がありました。
本当は無作為で自然がいいのです。人間的な力で病気は治さない、癒さないということ。病気は身体を休ませるために必要なものなのに、勝手にとりのぞいたら、また休まず働かせてしまい、自滅してしまいます。猫に癒されたり、風になびく木々の音に癒されたり、癒しは作為的なものではなく、本当は自然のものです。また身体が整うと自然と癒されるというものなのです。多くの人から見れば奇妙に映るかもしれませんが、目標も必要ない、使命感も不要、社会変革も無駄なのです。人の運命を変えようとしてはいけませんし、自分の運命も逆らわず受け入れて、生きていけばいいだけです。他人の問題に関与して、いいことなどありません。自分が何とかしてあげなければというのは思い上がりです。加齢に従い肉体は衰えていくのは自然の理であり、若返るために努力するよりも、老いる中で精神性を深め充実させていく方が重要なのです。物質文明の行きつく所は破滅であることは明らかです。行き着く所まで行くしかないので、その流れを変えようと努力することも無意味です。別次元で生きればいいだけです。喜ばせよう、癒そうというのはやめることにしました。ただただ自然に接することにいたします。
これらのことが、施術にどうかかわってくるのかといえば、施術自体は、今までより、刺激が少なくなると予想されます。それを物足りないと感じるか、ちょうどいいと感じるかは人それぞれでしょうが、とにかく作為的なことは一切排除して、自然に接するようにいたします。おそらく肉体レベルの癒しからもっと自然な感じの癒しに変わってくるはずです。どのようになるかは私にも分かりません。動作は基本的に今まで通りで、ただ意識を変えるだけです。意識を変えると、自然にいろんなものが変わってきます。少しずつの変化ですが、確実に変わってくると思われます。こんな世界があるのかという、今まで感じたことのなかった世界が顕れるはずです。
出張も今まで通りやりますが、いずれはやめようと思っています。サロンに来ていただく方が、癒しの効果があるからです。ここに立ち入るだけで癒される場所なのです。私としては、来ていただくだけで何もしなくても自然に良くなっていくという姿をイメージしています。施術は施術としてもちろんやるのですが、あえて何もやらなくても癒される場所にしていきたいと思います。手探りの状態ではありますが、今までのやり方は一旦リセットして、新しく出発したいと思いますので、よろしくお願いします。