やさしさ

2025/03/26

「アロマヒーリング富山」という名前でサロンをオープンしてから、もうすぐ1年が経とうとしています。この1年は、期待通りにいかないことや想定外の出来事が数多くありましたが、それらを一つひとつ乗り越えながら、お客様と一緒にサロンを作り上げてきたという感覚があります。メニューの見直し、施術方法の改善、集客の工夫、サービスの質の向上など、まだまだ検討しなければならない課題は山積みですが、その過程すらも大切な学びと感じています。

特に、男性セラピストとしての自分の強みをどのように活かすか、という点については、最初から悩み続けてきました。多くの方が「男性セラピスト=力強い圧や大きな手」というイメージを持っているようで、実際にその点を評価してくださるお客様も少なくありませんでした。私自身もその期待を裏切りたくないという思いから、ホームページには「力強い圧」や「大きな手」といった表現を用い、動画のテロップにも「強い圧で脂肪を揉みほぐす」といった少し過激なフレーズを入れるようにしていました。

しかし、実際のところ、私の手はそれほど大きくはなく、圧も極端に強いわけではありません。それでも多くのお客様から「とても気持ちが良い」という評価をいただいているのです。このことは私自身にとっても意外な発見でしたが、今では、それが私の生まれつき備わった“天賦の才能”なのではないかと感じています。

施術をしていると、特にマッサージ慣れしている方の身体に触れる際に、独特の特徴に気づくことがあります。表面の筋肉は柔らかいものの、その奥の筋肉が驚くほど硬い方が多いのです。これは、強い圧でのマッサージを繰り返すことで、身体が防御反応として筋肉を固めてしまっているのではないかと思われます。

本来、身体はやさしく触れられることを求めているのです。私の経験では、ソフトタッチの方がエネルギーがスムーズに発生しやすく、さらにそのエネルギーが身体の深い部分にまで浸透していくように感じます。強い圧をかけ続けると、逆に身体が緊張し、防御のために固まってしまうことがあるため、リラックスや癒しを目的とする施術では、ソフトタッチの方が効果的だと考えるようになりました。もちろん、痩身やデトックスを目的とする場合は、ある程度の強い圧も必要ですが、目的に応じて施術のスタイルを柔軟に変えていくことが重要です。このような気づきをもとに、今後さらに施術内容を再構築し、より多くのお客様に最適な癒しを提供できるようにしていきたいと思っています。

私がこうした「やさしさ」の大切さを意識するようになったのは、施術を通じてだけではなく、日常生活の中でも感じることが増えてきたからです。最近、私の気のせいかもしれませんが、世の中全体からやさしさが少しずつ減ってきているように思えるのです。人と人とのコミュニケーションの中でも、余裕のなさや緊張感が目立つ場面が増えてきたように感じます。

そこでまず、私が提案したいのは「自分の身体にやさしく接してみる」ということです。人間の身体は、自分の扱い方によって驚くほど敏感に反応します。例えば、軽く指先で頬をポンポンポンと叩くように触れてみてください。その優しい感触に意識を集中させ、ただひたすらその動作に没頭してみるのです。時間の感覚を忘れ、その行為に集中していると、やさしさがあふれるような温かいエネルギーが身体の中に広がっていくのを感じられるかもしれません。

これは単なるリラクゼーション効果にとどまらず、心と身体の深い部分に働きかける作用があると感じています。やさしさを感じることで、自分自身が癒され、そのエネルギーが周囲にも波及していくのです。こうした小さな変化が積み重なれば、やがて世の中全体が少しずつやわらかく、優しい雰囲気に包まれていくのではないでしょうか。

忙しい日々の中で、自分自身にやさしさを向ける余裕を持つのは難しいかもしれません。しかし、ほんの少しの時間でも構いません。自分にやさしく接することを意識することで、日々の生活が少しずつ変わっていくはずです。そして、やさしさに満ちたエネルギーが増えていけば、より暮らしやすい社会が生まれていくのではないかと思っています。

このサロンが、そんなやさしさを少しでも多くの人に伝える場となるよう、これからも施術やサービスの質を高めながら、心を込めてお客様と向き合っていきたいと思います。

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