身体の神秘
2025/03/26
人間の身体を扱う仕事をしていると、理屈を超えた不思議な体験を数多く経験します。身体は単なる物質ではなく、目に見えない何かが働いているのを日々感じるからです。施術を通じて、理屈だけでは説明できない変化が訪れることがあります。それは原因と結果というシンプルな図式では語れないものです。
通常、因果関係とは「原因があって結果がある」という一対一の関係として理解されがちです。しかし、実際の身体においては、もっと複雑で、さまざまな要因が絡み合い、思いがけない形で変化を生むことがあります。まるで化学反応のように、ある条件下で突然変化が起きることもありますし、ホルモンが活発に分泌されて全く違う状態に変容していくこともあるのです。
また、エネルギーの存在を無視することもできません。施術中、エネルギーの流れがスムーズになった瞬間にクライアントの顔色が変わったり、気持ちが軽くなったと言われたりすることがよくあります。気持ちがよく、リラックスして幸せホルモンが分泌されると、それだけで体調が改善されることも珍しくありません。だからこそ、心地よさを重視した施術が最大の効果をもたらすのだと実感しています。
当サロンの施術は、ただ物理的に筋肉をほぐすだけではなく、ホルモンの働きやエネルギーの流れを活性化させる要素を含んでいるようです。最近、試験的に期間限定メニューとして気功整体を数名の方に施しました。軽く触れているだけなのに症状が改善するという不思議な体験をした方から、「どうしてこんなに軽いタッチで効果が出るのかわからない」との声を多くいただきました。また、「ぜひ定番メニューにしてほしい」というご要望もいただき、正式なメニューとして導入する方向で検討を進めています。
このような経験を重ねる中で、最近「原因と結果」という考え方にあまりこだわらないほうが良いのではないかと思うようになりました。因果関係は時間という概念の中で成り立つものですが、それだけでは解決しない問題が多々あるからです。一般的な治療の多くは「病気の原因を取り除けば、病気が治る」という前提で組み立てられています。しかし、私が施術で感じるのは、もっと多次元的なアプローチが必要ではないかということです。
私の行っている施術の多くは、長年の経験と直観を頼りに編み出された技術が基礎になっています。そのため、原因が明確にわからない症状であっても、改善されてしまうケースが珍しくありません。正直なところ、私自身もなぜ効果があるのか完全には説明できないのです。もちろん、血流が良くなった、気の流れが改善した、リンパの流れが促進されたなど、後からいくらでも理屈をつけることは可能です。しかし、実際にはそれ以上の何かが作用しているように感じるのです。
ただ触れるだけで体が緩み、回復に向かう姿を見ていると、人間の身体は単なる物質ではないことを改めて実感します。そして、因果関係という枠組み自体が一種の思い込み、あるいは洗脳のようなものではないかと思うことさえあります。これからの時代は、時間や空間を超えた次元での施術や生活全体を見直すことが重要になるのではないでしょうか。
気功整体を取り入れてからというもの、オイルトリートメントの質にも変化が生じたように感じています。従来の物理的な力や圧だけに頼るのではなく、もっと別の要素が加わり、自然と施術が深まっているような感覚です。そして、ここにクライアントが変性意識に入るような深いリラックス状態が加わると、施術そのものがまるで別次元のものに変化してしまいます。
このように、身体に触れ続ければ続けるほど、人間の身体の奥深さ、そして神秘を感じずにはいられません。私たちはまだ、身体のすべてを理解しているわけではないのです。その未知なる部分に敬意を払いながら、これからも施術を通じて身体の神秘と向き合っていきたいと思っています。