
癒しについて
2025/03/27
当サロンは、お客様に癒しを提供することを目的として運営しております。癒しとは単なるリラクゼーションを超えて、心と身体の深いレベルで調和をもたらすものです。そのためには、セラピストとしてヒーリングのテクニックを習得したり、治療的な技術を磨いたりすることが非常に重要です。私自身も、そのような知識や技術を求め、これまでさまざまな方法を学び、経験を重ねてきました。しかし、どれほど素晴らしいテクニックを身につけても、それをどう使うかによって、癒しにもなれば、逆にお客様の身体に負担を与える“負荷”にもなり得るということを、深く実感しています。
ここでいう“負荷”とは、何か強引な行為という意味ではありません。施術そのものが優しいタッチで行われていたとしても、もしそのタッチや技術が、お客様の身体が本当に求めているものと一致していなければ、それは身体にとって“負荷”として感じられてしまうのです。例えば、身体が深い休息を求めているときに、過度に覚醒を促すような施術を行うと、いくら技術が優れていても、結果的に癒しには繋がらず、逆効果になることがあります。
一方で、身体が活力を必要としているときに、適切なエネルギーを補う施術を行えば、心身ともに調和が取れ、癒しが深まります。大切なのは、技術そのものよりも、その技術をどう活用するか、つまりお客様の身体の声をどれだけ正確に感じ取ることができるか、ということだと思います。
当サロンでは、この「身体の声に耳を傾ける」ということを何よりも重視しています。施術の際には、お客様の身体の微細な変化や反応を感じ取りながら、どの部分をどのように触れ、どのような状態に導いていくのが最善かを常に考えています。この判断は、長年の経験と訓練を積み重ねてきたセラピストによって行われます。
もちろん、お客様が事前に希望される施術内容や要望も丁寧に伺い、それにできるだけお応えするように努力します。しかし、時には、お客様が自覚している要望と、身体が本当に求めているものが一致しないこともあります。例えば、「肩が凝っているから強いマッサージをしてほしい」とリクエストされた場合でも、実際に身体を観察すると、過度の緊張によって防御反応が起きていることがあります。そのようなときは、強い圧をかけるよりも、むしろ優しいタッチで筋肉の緊張をゆるめる方が効果的です。
このようなケースでは、私たちセラピストは、お客様の顕在意識での要望よりも、身体の声に従った施術を優先することがあります。これは、一見するとお客様の希望と異なるように感じられるかもしれませんが、結果的に身体が深いレベルで癒され、長期的な効果が得られることが多いのです。
施術中、お客様から「まるで自分の身体のことを全部知っているかのように的確に触れてくれる」というお言葉をいただくことがあります。それは、決して特別な“魔法”のようなものではありません。お客様の身体の声に耳を傾け、丁寧に感じ取ることで、自然とその方にとって必要な施術が浮かび上がってくるのです。
私たちが日々行っている施術は、単なるマッサージの技術ではなく、身体と心の対話だと言えるかもしれません。身体は本当に正直で、心の状態や日々の生活の影響をそのまま反映しています。その声を無視して施術を行ってしまえば、いくら技術が優れていても、癒しには結びつきません。しかし、身体の声を丁寧に聞き取り、それに応じた施術を行えば、驚くほどの変化が現れることがあります。
私自身、このような体験を繰り返すたびに、身体の神秘さや、癒しの深さを実感しています。癒しとは単に身体の疲れを取るだけでなく、心身を再び調和の取れた状態へと導くプロセスだと思います。それには、お客様自身がリラックスして、安心して身を委ねられる場を提供することが不可欠です。
最後に、皆さんは「自分の身体のことを、自分以上に理解してくれる存在」がいたらどう思うでしょうか?それはとても心強いことではないでしょうか。当サロンの施術では、そんな信頼関係を築けることを目指しています。
「ただ触れられるだけで、身体も心も軽くなる」。そんな感覚をぜひ体験してみてください。お客様の身体の声を丁寧に聞き、真に求めているものを感じ取ることで、深い癒しの時間を提供できるよう、これからも心を込めて施術を行っていきます。