スキンシップについて
なぜ、私は、オイルトリートメントに拘っているのでしょうか。着服のままのマッサージの方が、商売的には需要があるにもかかわらず、ひたすらオイルトリートメント路線を貫いているのには、訳があるのです。
私は、親からスキンシップをしてもらった記憶がありません。強烈に人肌が恋しいのです。それを乗り越えるために、青春時代は、ストイックで強烈な禁欲生活を自分に課してきました。ある時、仙台に会議で出張した時、あまりにもハードなスケジュールで、疲労困憊していて、会議が終わった後、マッサージ店を探しました。夜遅かったのですが、たまたま空いていたのが、オイルマッサージのお店でした。その店のセラピストが、ゴッドハンドの持ち主で、今まで味わったことのない至福感を味わい、疲労が吹っ飛んでしまったのです。それから、オイルトリートメントにのめり込みましたが、そのセラピストを上回る人に今だ出会ったことはありません。そういう強烈な出会いを通して、私もアロマテラピーとオイルトリートメントを学びたいという思いが、強くなっていきました。しかし、男性にオイルトリートメントを教えてくれるスクールはなかなか見つかりません。これも偶然ですが、たまたま男性セラピストを養成するというスクールを見つけ、半年くらい通い、理論と実技を習得しました。
その後、田舎にUターンし、親の介護をすることになるのですが、オイルトリートメントの技術が大変役立ちました。母親に毎日オイルトリートメントをやるのですが、母もまた、親からスキンシップをしてもらった経験がなかったということを知りました。私と母の関係は、決して良い関係とは言えなかったのですが、オイルトリートメントを通してのスキンシップにより、母の頑なな心は解かされていき、「こんな気持ちのいい思いをして、いつ死んでもいい。でも、もっと気持ちのいい思いをしたいので、長生きしたい」と言うようになりました。母の最期の言葉は、「生まれてきて良かった」でした。
私は、父と母の介護の経験を通して、オイルトリートメントの素晴らしさを実感しました。オイルトリートメントは、スキンシップを通して、愛を育み、人を幸せにすることができる技法です。多くの人に、この素晴らしさを知って欲しいと願っています。